コロンビアコーヒーの特徴と言えば、マイルドコーヒーの代名詞というイメージがあります。また最近では缶珈琲のエメラルドマウンテン、「エメマン」として有名になりました。
マイルド珈琲と言う名称は商標の一種で、高品質のコロンビア珈琲に付けられる呼び名です。
ただ、マイルド珈琲という表現はコロンビア産の良い豆だけでなく、タンザニアやケニアで産出された高品質珈琲も同じく、マイルド珈琲という呼び名を与えられるのです。
今回はコロンビア珈琲について解説します。
コロンビア珈琲産地の特徴
コロンビア珈琲の産出量は、ブラジル・ベトナムに次いで世界第3位。
コロンビアで作付けされる珈琲の品種は、アラビカ種しか国から許可されていないので高品質珈琲として取引されます。
コロンビアコーヒーの格付け
コロンビア珈琲の産地はカリブ海に面した、豊かな火山灰土質の丘陵地帯。つまりコロンビアの産地は良質な珈琲生産に必要な条件である
- 豊かな火山灰土質である
- 寒暖差の大きい熱帯亜熱帯地域
- 適度な湿度と降雨量がある
という3つの好条件に恵まれている訳です。
また、珈琲の仕分けはコーヒー豆の大きさ(スクリーンナンバー)でされており、日本国内に輸入されるものは最上級クラス(スプレモ)が大半を占めます。
コロンビア珈琲は国の事業
今でこそコロンビアは国を挙げてコーヒー生産に取り組んでいますが、コーヒー産業に本格的に参入したのは比較的最近です。
コロンビア珈琲の産地は急こう配の斜面なので、酸味のある品質の良いコーヒーが採れるのですが、機械化が進まず珈琲生産は人力によって行われます。
コロンビア珈琲の生産者達
コロンビアと言えば、聞こえは悪いがギャングで有名だ。
日本人がビジネスに行くと、警察が警護してくれる事が多い。
それはギャングにさらわれない様にとの配慮なわけだが、それほどにコロンビアではマフィアが幅を利かせている。
このギャングが硬派なおっさん達の象徴なのだろう。
一方農業生産者の髭おっさん。
純朴で働き者の象徴のようなおっさんだ。
コロンビアでのコーヒー生産は辛酸を極める。
急こう配の起伏に富んだ珈琲農園では機械化が進まず、農作業は基本的に手作業となる。
珈琲の入ったドンゴロスは一体100キロくらいだ。
私も持ったことがあるが、んなもん一人じゃ持ち上がりましぇん。
しかし、コロンビアのおっさんたちは、それを一人で背負って、ドカドカとトラックへ、そして船へと積んでいく。
そんな力持ちで静かな肉体労働者という真面目な一面。
それがもう一つのコロンビアおっさんの象徴となる。
(コロンビア農園の現場)
コロンビアマイルドの歴史
マイルドコーヒーってなんだろ?と調べてみると、いろいろ分ってきます。
まず、コロンビアマイルドというのは、国際コーヒー機構で取引されている最上級のクラス珈琲豆の意味です。
味の事ではなかったのです。
ブラジルの安価なものと区別するために作られたもので、アメリカに輸出するための激安珈琲と区別するために、ヨーロッパの消費者向けに高品質珈琲豆を提供するために作られたコーヒー豆だったわけです。
コロンビアは最初から高品質珈琲豆の生産に傾注していたわけです。
(組写真をご覧ください)
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日本には一番良い珈琲豆が入ってくる
で、なんで日本にコロンビア・マイルドなる言葉が定着したのか?です。
それは、日本には世界各国の最高級珈琲豆が最優先で輸出されるためです。
コロンビア・マイルドという商品規格は、コロンビアの珈琲豆だけを指すのではなく、タンザニアやケニアで採られた珈琲も最上級クラスの珈琲にはコロンビア・マイルドと命名しました。
その他の規格では、コロンビア・スプレモ(スプレモは最上級という意味)やエメラルドマウンテンと言うのも、すべて最上級クラスの珈琲豆という意味になります。
規格団体が違うだけで、
- コロンビア・マイルド
- コロンビア・スプレモ
- エメラルド・マウンテン
は同じような意味で使われているという事です。
エメラルドマウンテンの事
エメラルドマウンテンという珈琲を、私が初めて見たのは約13年前です。
当初からコロンビアの高品質珈琲という事で売っていたのですが、その当時から2018年現在まで、エメラルドマウンテンキャンペーンが続いています。
多分コロンビアの生産者団体と、日本のコーヒー会社が手を組んで日本社会に浸透させようとしているんでしょうね。
その昔、わたしの記憶に根付いてしまった、”コロンビア・マイルド”、と同じことがメディアを使ってされているわけです。
メディアの刷り込みが私の中のコロンビア・マイルドの正体だったわけです。
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コロンビアコーヒーの品種
コロンビアで作付けされる品種は、カツーラと言う品種が4割、バリエダコロンビア種というロブスタ種が混じった品種が6割を占めます。
コロンビアコーヒー独特の一種の渋みは、この若干混じったロブスタ種の影響です。
完全に品種によって区画分されている、スペシャルティ珈琲の現場ではカツーラだけの物も入手できますが、大抵はゴッタマゼにされるので、全般的にロブスタの影響が出ます。
バリエダコロンビア品種が、コロンビアコーヒーの特徴である、渋みや苦みの要因になるわけです。
シエラ・ネバダのウィラ珈琲
コロンビアにはなぜか、スペインにもある ”シエラ・ネバダ山” があります。
オーガニック珈琲の産地ウィラフェアトレードとして有名ですが、故郷のスペインにある山、シエラ・ネバダの名前をそのままコロンビアの山に命名したわけです。
日本の富士山が全国各地にあるのと似てますね。(シエラ・ネバダはアメリカにもある)
コロンビアの起伏に富んだ地形は、様々な規格の珈琲や、特徴ある産地を生み出します。
(組写真をご覧ください)
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コロンビア珈琲の特徴・まとめ
コロンビア・マイルドの起源について、いろいろと見てきました。
マイルドコーヒーと言うのは味の事ではなく、一種の商品規格の事だったのです。
その言葉の起源は、ブラジル・サントスに代表される、安価に取引されているブラジルの珈琲と区別するために出来た、高品質珈琲豆の総称だったのです。
最後まで読んで下さりありがとうございました。<m(_ _)m>