平群道の駅でコーヒーを販売していて、よく聞かれることの一つに、「くまがしって、どういう意味?」というものがあります。
上記の看板を見て、そのように思われたのでしょうか?
平群道の駅の正式名称は、「くまがし平群・道の駅」です。
で、その「くまがし」の意味が、よくわからないようです。
ちなみに、看板左上のかわいいキャラクターは、カシの実を象った、「カッシーくん」です。
「くまがし」の意味は大きな樫の木の事
道の駅の所在地、平等寺が実家の、妖怪ネコママに「くまがし」の由来を聞いてみると(嫁の実家は、平群道の駅と隣接している)「くま」とは大きいという意味で、「かし」とは樫の木の事だそうです。
昔、平群谷では沢山の大きな樫の木があったので、それを指して「くまがし」といったそうです。
「くまがし」という言葉は、伝説的な英雄のヤマトタケルの尊が歌った歌詞の一節で、登場します。
下記がその歌の全文です。
「命の またけむ人は たたみこも 平群(へぐり)の山の 熊白檮(くまかし)が葉を 髻華(うず)に挿せ その子」
解説すると、古代の平群では、くまがしの葉を何枚も重ねて髪飾りにする風習があったそうです。
魔よけの意味もあったようで、その乙女の麗しい姿を思い浮かべて懐かしく思い、望郷の念で謳ったそうです。
ヤマトタケルは、父天皇の命で、日本全国平定の為に、たびたび戦に出かけて負け知らずでした。
しかし、たまたま霊剣、草薙剣を伊勢の叔母の所に忘れてしまい、その呪いで戦に負けてしまい、病をえて、亡くなってしまいます。
その時、病床で故郷を懐かしく思い、この歌などを残して他界しました。
現代では、平群は随分開けて、幹線道路が通るほど便利になりましたが、昔は随分と山深い土地だったようです。
ネコママも、昔の超絶田舎の平群谷をたまに懐かしんでおります。
平群は豪族の名前でへぐりと読む
あと一つの不思議な名詞「平群」についてです。
平群って読めます?
大抵この漢字を初めて見た人は「ひらごおり?」などと思うようです。
正解は「へぐり」です。
この平群という地名は大変古い名称で、その由来は聖徳太子がいる時代までさかのぼります。
この時代には有力な豪族が二人いて、「椿井氏」と「平群氏」でした。
椿井氏一族は京都に御所が移る時、官位を頂いて一緒に引っ越しました。(先日末裔の方が椿井を訪ねてこられました)
一方平群氏はこの土地を長らく支配していたので、生駒から王寺一帯を平群と呼んだわけです。
あと平群の意味は辺の国で、辺境の地という意味です。
この辺は駒(馬)の産地で、その名前は生駒という地名になって今も残っています。
ではでは、動画もアップしておきます。
(平群道の駅の動画を見る👇)