すぎた珈琲はブレンド珈琲豆を扱っていません。しかし、当店以外でコーヒー豆を買われる時は、ブレンド珈琲を買う事をお薦めします。
一見矛盾しているように思いますが、その理由はコーヒー豆屋のブレンドは大抵回転がはやいからです。
コーヒー豆をチョイスするときに、最も注目するべき点は焙煎鮮度です。
「腐っても鯛」という比喩がありますが、コーヒー豆は古くなって腐ったら、鯛と違って価値がなくなります。
古くなって酸化したブルーマウンテンNO1よりも、焼立てのブラジル・サントスの方が美味しくて体に良いです。
今回は自家焙煎店で買うべき、ブレンドコーヒーに関して説明いたします。
ブレンド珈琲の配合の仕方
ブレンドコーヒーの配合の仕方は、各国の農協が精製しているストレート珈琲豆をバランスよく混ぜ合せる事です。
各国のストレート珈琲豆の特徴を列挙すると、以下のようになります。
- ブラジル👉👉癖がない甘い香り
- コロンビア👉渋みとマイルド
- ガテマラ👉👉コクがある
- モカ👉👉👉👉華やかな香りと酸味
- マンデリン👉苦みとボディ
配合の割合ですが、手に入りやすくてバランスの良い味の、ブラジル・コロンビア・ガテマラをベースにして、酸味ならモカ、苦味ならマンデリンを加えると良いです。
スコアー80点以上の本物のスペシャルティ珈琲はブレンドに使うには勿体ないです。
玉露に雁金茶を混ぜ合わせる人が居ないのと同じで、ぜひとも単体でお楽しみください。
ブレンド珈琲には二つの意味がある
コーヒー豆をブレンドする意味はふたつあります。それは
- 均一な味わいを作るため
- 珈琲豆の鮮度を保つため
現在流行しているコンビニ珈琲も、ブレンドによって均等な味を、いかにして作るか?を主眼にしています。
コーヒー豆は農産物なので、毎年同じ味になるわけではありません。
また経年劣化などで風味は絶えず変化していきます。
喫茶店などで一番大切な事は、常に同じ味の商品を作る事です。
そういう意味で、コーヒーはブレンドすることによって、酸味・苦み・コク等を均一な配分にして、同じ味を再現しているのです。
ブレンド珈琲とは、珈琲豆の配合を考え出す事ではなく、ブレンドによって常に味を均一にすることが主眼となります。
同じ味になれば、何をどれだけブレンドしても構わないという事です。
ブレンド珈琲に使われているコーヒー豆の大半はブラジル産です。
その理由は他の豆のつなぎ役になる事と、安価で均一な味にしやすいからです。
珈琲豆のブレンド配分を見れば、まず間違いなくトップにブラジル産が明記されています。
そんな訳で、ご自身でブレンド珈琲を作られるときは、ブラジルを主体にすると良いです。
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オリジナルブレンドを買おう
私はレストランなどに行くと大抵、お勧めセットを注文します。
その理由は簡単で、おすすめセットが一番売れていて、材料の回転が早いからです。
最初にも書きましたが、コーヒー豆は焙煎鮮度が命です。
食べ物屋さんでも、自分が食べたいものを注文するよりも、そのお店で一番回転の良い料理を食べると大抵美味しいです。
珈琲豆を購入する場面をこれに当てはめると、お店のオリジナルブレンドが回転が速いです。
セールス品や高額な豆は、売れ残りであることが多く、目玉商品だからと言って購入すると、飲めないほど酸化・腐敗していることがあるので要注意です。
(古い豆に関しては下記事参照)
ブレンド珈琲の歴史
2018年現在、ブレンドを主体にレギュラーコーヒーを販売しているコーヒー豆屋は少なくなりつつあります。
私がコーヒー豆屋を始めたのは17年ほど前ですが、勤めていた横浜のお店では販売するコーヒー豆の約半数はオリジナルブレンドでした。
年月が経つにつれて、ブレンドを買われるお客様は減少し続けました。
すぎた珈琲では、2012年をもってすべてのブレンドを廃止したのですが、これも時代の流れと言う物でしょうか。
日本のお客様は、均一な味のブレンドよりも、オリジナリティあふれるスペシャルティ珈琲をお求めになっているようです。
(スペシャルティ珈琲に関しては下記事参照 )
ブレンド珈琲とは・まとめ
ブレンドコーヒーに関していろいろ書きました。
時代の流れはブレンド主体から、グルメ珈琲(スペシャルティ珈琲)主体に変化しています。
しかし、スペシャルティ珈琲を販売しているお店でもまだまだブレンドを主力商品にしているところが多いです。
もしお客様がご購入されているコーヒー豆屋がブレンドを置いているのでしたら、間違っても売れ残りのセールス品を買うのでなく、回転の良いオリジナルブレンドを購入することをお勧めします。